本書の内容
本書はデジタルシステム設計論あるいはハードウェア設計論の大学および大学院レベルの入門教科書である。旧著「コンピュータの設計とテスト」で扱ったコンピュータの設計論とテスト論を、デジタルシステムの設計論とテスト論へとその内容の拡充を行って、初心者にもわかりやすく、図表を多く用い具体的な例を多く挙げて、できるだけ平易に解説している。
第1章では、デジタルシステムの設計の流れと設計自動化について概説している。
第2章と第3章では、ゲートレベルとレジスタ転送レベルでの論理の基礎を述べている。
第4章と第5章では、デジタルシステムを構成するデータバスとコントローラについて各々の設計を解説している。
第6章では、動作レベルからレジスタ転送レベルへの自動合成である高位合成について述べている。
第7章では、モデルコンピュータを例にコンピュータの設計法を解説している。
第8章から第10章には、デジタルシステムのテスト論を解説した。ゲートレベルとレジスタ転送レベルでのテスト手法、テストパターンの自動生成法、テスト容易化設計法について述べている。さらに最近の研究成果である非スキャン設計法、システムオンチップのテストについても解説している。
本書ではディジタルシステムの設計論だけに止めず、デジタルシステムのテスト論についても解説している。社会に広く浸透しているデジタルシステムのテストの問題は非常に重要であり、正しく動作しないデジタルシステムの存在は、単にサービスの停止や中断にとどまらず、社会的にも大きな影響を与えることになる。これからデジタルシステムの設計やテストを担当される方々に対する入門書として本書を役立てていただきたい。
目 次
第1章 デジタルシステムの設計
第2章 ゲート論理
第3章 レジスタ転送論理
第4章 データパスの設計
第5章 コントローラの設計
第6章 高位合成
第7章 コンピュータの設計
第8章 デジタルシステムのテスト
第9章 テスト生成
第10章 テスト容易化設計
付 録 VHDLで記述したモデルコンピュータ
索引