■内容紹介
1900年、パリ。ドイツの数学者ダーフィト・ヒルベルトは「数学の問題」と題する歴史的講演をおこなった。この講演はある意味で、人工知能研究の前史をなすものだった。計算機科学に理論的基礎をもたらした「チューリング・マシン」の提案は、1932年のことである。そして、1946年、初の電子的汎用コンピュータENIACが登場し、1956年のダートマス会議の開催により、AI=人工知能研究が科学と産業の世界に躍り出た。その後、AIに関係する諸分野は最も熾烈な知的論争の場となってきた。そこでは信条や主観がせめぎあい、AIの時代がはたして来るのか、行く手には“破滅”のみが待っているのか、来るべき未来のAI像は混沌としていまだ揺れ動く――
社団法人日本図書館協会選定図書
■著者紹介
サム・ウィリアムズ(Sam Williams)
1969年生まれ。ニューヨーク・スタテン島在住。フリーランス・ライター、著述家。
ソフトウェアやソフトウェア・カルチャーに関する論稿をウェブサイトに発表するほか、新聞・雑誌にも寄稿しており、気が向けばテレビ番組も手がけている。
本書のほかに、Free As in Freedom: Richard Stallman’s Crusade for Free Software, Oreilly & Associates Inc., 2002などの著書がある。
http://vader.inow.com/~sam/
■訳者紹介■
本田成親(ほんだ・しげちか)
1942年、横浜に生まれ鹿児島で育つ。東京大学大学院博士課程修了。位相幾何学、基礎論専攻。東大教官を経てフリーランスとなり、数理哲学や科学理論関係の著述に携わるかたわら東京芸術大学大学院美術教育研究科客員講師を務める。1997年、「佐分利谷の奇遇」で第2回奥の細道文学賞受賞後、文芸作家活動に入る。『星闇の旅路』(自由国民社)、『宇宙の不思議がわかる本』『この一冊で宇宙の不思議がわかる!』(三笠書房)、『確率の悪魔』『図説 宇宙科学発展史』(工学図書)、『図説 創造の魔術師たち』(訳、工学図書)などの著書がある。。