■内容紹介
「建築とは時代を翻訳することである」
「すべての科学技術がその使命を全うした時、それは建築に成る」
フランク・ロイド・ライト、ル・コルビジエと並び称される「近代建築の巨匠」ミース・ファン・デル・ローエが新しく創り出した建築言語を、事務所で創作を共にした筆者が、ミースの作品と作業の軌跡を追って詳述した、渾身の一冊!
写真42点、図面29点を収録。
■作品図版
バルセロナ・パビリオン * トゥーゲントハット邸 * ヴァイセンホーフジードルング * イリノイ工科大学キャンパス計画 * ファンズワース邸 * 860レイクショアードライブ・アパート * シーグラム・ビル * クラウン・ホール * ニューナショナル・ギャラリー
■著者紹介
渡邊明次(わたなべ・めいじ)
1935年、静岡県清水市生まれ。1958年、関東学院大学建築学科卒、1962年、イリノイ工科大学大学院卒。
1962~65年、ミース・ファン・デル・ローエ事務所勤務。三井霞ヶ関ビル企画室、南カリフォルニア大学客員助教授を経て、1970年から関東学院大学建築学科教授。
著訳書:『ミース・ファン・デル・ローエ』美術出版社。『ミース・ファン・デル・ローエ』ワーナー・ブレイザー編集、A.D.A. EDITA Tokyo。『現代建築の源流と動向』L. ヒルベルザイマー著、鹿島出版会。『都市の本質』L. ヒルベルザイマー著、彰国社。『大規模なオフィスビル』井上書院。
■目 次
まえがき
第1章 ミースの建築への啓示
ミースの生い立ちと感性
時代というコンセプト
ミースの履歴書
フランク・ロイド・ライトの作品展
ミースの創作活動の信念
創作活動の態度
第2章 作品の時代:二次元から三次元へそして四次元の建築へ
事務所の心地良い空間
反射という建築言語の誕生
解体と再構築への道――煉瓦造田園住宅の計画
第3章 解体と再構築の実践
バルセロナ・パビリオン――フリースタンディング・ウォール
科学技術社会における住居環境――トゥーゲントハット邸
ヴァイセンホーフジードルング――構造の有利さ
建築の匿名性について
第4章 誰でもできる建築
アメリカの都市の再生
イリノイ工科大学のキャンパス計画
教室棟のプロポーションとオーダー
学生のための礼拝堂
科学技術の建築――860レイクショアードライブ・アパート
第5章 建設芸術の完成
ファンズワース邸――吊り構造によるユニバーサルスペースの誕生
建築学科教室 クラウン・ホール
都市空間を優先させたシーグラム・ビル
近代のパルテノン ニューナショナル・ギャラリー
あとがき
ミース・ファン・デル・ローエの年譜